【電験】電気設備の塩害について(電気主任技術者 必見!!)

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電気事故において、我が国で特に重要なものの一つとして、がいし類の汚損によるせん落事故があります。がいし類は常に外気に触れている状態が多いので大気中にある塩じんが付着して汚損される傾向にあります。台風や季節風などにより,がいし表面に塩分が急速に付着することで,がいしの絶縁が低下して漏れ電流の増加やフラッシオーバが生じ,送電線故障を引き起こすことがある。
また、がいし表面に塩分等の導電性物質が付着した場合,漏れ電流の発生により,可聴雑音や電波障害が発生する場合があります。
設備事故だけでなく人命尊守や継続的維持の観点に立ち、建築立地や種々の外的環境に耐えるものとしなければなりません。設計時点での仕様のみならず、施工及び支援に携わる立場からも「特殊仕様」に広く認識が求められます。

それでは電気設備の塩害について内容を見て行きましょう。

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塩害事故

塩害事故は、塩分を含む雨や風の影響等で、がいしやその他の絶縁物に塩分粒子が付着してしまい、そこに適当な水分が供給されて表面抵抗が低下することによる漏えいやせん絡で起こってしまいます。

ということで、塩害事故に至るフローを区分しました。

(1) 海岸あるいは海面で強風によって海水が吹きちぎれる(台風等)

(2) この吹きちぎれた海水粒子が風によって内陸に運搬されます。

(3) こうして輸送された塩分粒子が、がいしなどに付着します。

(4) そこへ雨等で適当な水分が供給されて表面抵抗の低下をまねき、事故が発生します。

という 4段階のフローに区分されます。

塩害対策

高圧がいし、変圧器、開閉器及びケーブルヘッドのブッシング、計器用変成器などの表面に塩分が付着すると、それによりがいしなどの耐電圧が低下して放電を誘発し、地絡とか短絡事故を発生してしまい機材等を損傷することに繋がります。

塩害の防止対策を必要とする区域については,各電気事業者が過去の台風等による被害を受けた経験から,塩分の付着量,地形,海岸からの距離等を目安にし て決定している.電気事業者が行っている一般的な塩害対策の概要を示します。

一般及び塩害地域のランク設定

汚損度と海岸からの距離の関係は地 形によって多少異なります。なお、需要家設備については、屋内の場合は、強風雨雪に対する対策が十分であれば心配はないが、屋外キュー ビクルの古い施設については,特に一線クリ ートの沿面距離の短いものは絶縁電線に切り傷などのある場合、漏れ電流によるクリートのトラッキングから地絡事故に至るもの, 又はクリートの発火焼損事故等が発生しているので,規格 (JISC4620付属書 3電線支持物では「高圧機器内配線電線とフレームとの距離が 20mm以上確保できるように支持できるものであること」と規定されていて、絶縁レベルを向上させる必要があります。

がいしに付着した塩分を除去する洗浄装置の方式

(1) 固定洗浄装置(主としてスプレ ー又は水幕) 

(2) 簡易固定洗浄装置(ジェット) 

(3)移動洗浄装置(ジェット) 

(4) 携帯方式洗浄器(ブラシ式)

塩害対策の種類と適用

がいしの塩害対策として,雨洗効果の高い長幹がいし,表面漏れ距離の長い耐霧がいしや耐塩がいしが用いられますが、塩害対策の設計は、がいし等の塩分付着量を想定し、がいし等が所定の耐電圧を維持することを目標にし、信頼性と経済性について十分考慮することが大切です。 

まとめ

電気設備を屋内に設置して外気に触れさせないことが、最も単純でかつ効果的な塩害対策である。塩分に晒されない屋内設置であれば、腐食はほとんどありません。安心の確立に向けた取組みは、常に時代にあった要求に対応していくことが大切です。
法令に基づく制度は、こうした安全性を確保するため守るべき最低限のルールであり、事業者の皆様に御理解いただくことが必要不可欠となります。
本ブログが、皆様の電気事故を防止するための理解の一助となれば幸いです。

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