【電験】保護継電器の試験 (電気主任技術者 必見!!)

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保護継電器は,電力系統の動作状態を監視しており、系統内に発生した事故を確実に異常区間だけを遮断して電力系統の各設備の安全運転を確保するとともに電力系統への波及事故を防止する重大な役割を担っています。

この目的を達成するために,保護継電器は故障することなく長時間にわたって動き続けなくてはならなく、それを確認するために竣工検査及び年次点検時に試験を実施します。それでは高圧受電設備に使用されている保護継電器の内容について、見ていきましょう。

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試験用電源

試験用電源をここでは自己電源と他電源の二つに分けることが出来ます。自己電源については、試験対象継電器等と連動する遮断器等に接続されている変圧器より供給する形態をいいます。そして、この内容以外を他電源といいます。

試験用電源の特性について交流にあっては、定格周波数が±1%以内で定格電圧が±2%以内、そして波形ひずみ率が5%以内と厳しい値が求められているので、特に携帯用発電機で静止形継電器の試験を実施する場合は、条件を満足することが困難な場合が考えられるので注意が必要です。

地絡継電器の試験

地絡継電器は、高圧系統に発生した地絡事故・異相地絡事故を確実に検出し、かつ迅速に遮断指令を出して遮断器を遮断させる役害を担っています。

地絡継電器は、その構造から誘導円板形と静止形に、また、動作原理から無方向性と方向性に大別されるが、ここでは高圧受電設備の使用実績の多い静止形のG付PAS等について説明します。

試験には、継電器の設置目的を確認する竣工検査と、使用中の信頼度を確認する年次点検及び事故時に行う臨時点検があり、その方法には継電器自体の動作特性を調べる単体試験と、遮断器や負荷開閉器等と組み合わせて行う連動試験があります。また、そのときの電源に他電源を用いる方法と自己電源を用いる方法とに細分化されます。なお年次点検では、試験に伴う開閉サージや突入電流等の影響を考慮し、その内容を若干簡略化する場合があります。

方向性G付 PASの試験

受電1号柱等に設置された方向性 G付PASは、開閉器に内蔵された零相変流器(ZCT)、零相電圧検出器(ZPD)、過電流ロック(OC)と、電柱等に取り付けられたSOG制御装置(方向性地絡継電器 内蔵)で構成されています。

零相変流器によって得られる零相電流と零相電圧検出器によって得られる零相電圧との位相差によって事故点の方向を判別し、それぞれの値が整定値以上を検出したとき、方向性地絡継電器が動作し開閉器を開放させます。

また、開閉器には短絡遮断性能がないため構内短絡事故が発生した場合は、開閉器の過電流ロックリレーは動作するが、開閉器は開放しません。一方、電源側の電力会社では事故を検出し配電線路は停電となります。すると構内の開閉器は過電流ロックの検出と停電の検出により約2秒後に開放されます(停電1分後に配電線路は再送電されます)。

試験項目としては、動作電流特性試験,動作電圧特性試験,位相特性試験,動作時間特性試験,過電流ロック試験があります。

高圧地絡方向継電器(DGR)の試験

このタイプは零相変流器、零相基準入力装置及び方向継電器で構成され、零相変流器によって得られる零相電流と零相基準入力装置によって得られる電気量の位相差によって事故点の方向を判別します。零相基準入力として零相電圧を用いる機種と零相基準電流を用いる機種があります。DGRは零相変流器設置点より負荷側の対地静電容量が大きい施設や重要負荷設備のある場合に設置されます。また、この試験は複雑で二つの電気量と、その位相を変化させた試験回路になります。

DGRの現場試験項目としては、動作電流,動作電圧,位相及び動作時間特性試験があり、 その試験方法はJIS C4609に基づきます。

まとめ

危険有害要因を発見して、これらを事前に除去することで正常な状態を維持し、安全かつ円滑な作業行動が行えるようにします。したがって、試験実施者はこの目的を十分に理解・把握して点検し、その状況や結果を記録します。
異常を認めた場合は、必要に応じて直ちに改善し、あるいは必要な報告・連絡・指示等を行いましょう。
電気設備は快適で豊かな生活を営むうえでなくてはならないものとして、私たちの生活に溶け込んでいますが、電気は、生活を豊かにする一方、取り扱いを間違えると、私たちの安全・安心な暮らしを脅かすような事故を招くことがあります。
どんなに優れた技術であっても、安全性が担保されない場合、その普及はおぼつかないものとなってしまいます。このため、我が国の高度成長期における電気の急速な普及を、この電気事業法が陰で支えていたともいえます。
また、安全・安心の確立に向けた取組みは、常に時代にあった要求に対応していくことが大切です。
皆様の電気設備不良個所の対応について、本ブログが、皆様の理解の一助となれば幸いです。

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