【電気事故事例】短絡アークによる感電事故(電気主任技術者 必見)

事故防止
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事故事例の目的としては、事故の再発防止・未然防止を目的として、現場で発生した事故、ヒヤリ・ハット等の情報を収集・活用し、対策を講じることができます。
ハインリッヒの法則では、1件の重大な事故・災害の背後には29の軽微な事故があり、その背景には「ヒヤリ」としたり「ハット」したりするような300の出来事が存在するといわれています。
大事故は、偶発的に起こるものではありません。日常の「ヒヤリとする体験」や「ハッとする出来事」は、いずれ大きな事故につながる前兆であることを理解し、このような体験や出来事があった場合はそのままにせず、何らかの対策を講じておく必要があります。
また、日頃からヒヤリ・ハット事例を記録し、事例を出し合い共有することもリスクマネジメントの観点からは大切なことです。
作業者が、現場の安全を確保するためには、どのような事故が発生しているかを知ることが大切で継続的に情報収集することが重要です。

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事故の状況

事故発生までの経緯としてキュービクル内の電線支持物が,三相一括支持型のクリートであり,これを 1相ずつの単独 支持型サポートに交換するように,保安協会検査員から指摘を受けていた. 9月下旬の日曜日,電気工事店から 3名の作 業者が到着し,保安協会検査員の立合いのもとで,改修工事が始まろうとしていた.

10時 40分,電気工事店の作業責任者は,作業者 2名と保安協会検査員を含めて,現場打合せを行った.
作 業 に 当 た っ て は , 保 安 協 会 検 査 員 か ら 指 示されていた通り,キュービクル内を全停電で実 施する手筈となっていた.

作業責任者は,当ビルの 1階に設置されたキ ャビネット内にある自家用側ピラージスコンを 開放するために,キャビネットが設置された部 屋の鍵を当ビルの管理人から借用した

し か し , こ の 鍵 が 錠 に 合 わ ず , 扉 が 開 か な いため入室できず,ピラージスコンを開放するこ とはできなかった.

1時 0分,作業責任者は,保安協会検査員と 協議して,停電可能な範囲,すなわち,キュー ビクル内の LBS(高圧負荷開閉器)の負荷側に ついてのみ,交換作業を実施することとし,再度作業者を集めて現場打合せを行った. その際,作業責任者は,作業者 2名に対して, 「受電盤内の LBSより電源側は充電されているので,接近してはならない.」と厳重に注意し た.

作業責任者が LBSを開放し,負荷側に短絡 接地を取付けた後,作業が開始された

事故発生

午前の作業に引き続いて,午後も作業者 2名は,電灯盤と動力盤内で作業を行っていた. 保安協会検査員と作業責任者は,キュービク ル側面で,作業と安全の監視に当たっていたが, 検査員が監視に気を取られていて,気付かぬうちに,作業責任者の姿が見えなくなっていた. 作業責任者は,受電盤裏面PCT(計器用変 成器)架台下に入り,受電用ケーブルと PCT間 のリード線を固定している 三相一括支持クリートの寸法を測定しようとしていた.

14時 2分,作業責任者は寸法測定の際,誤っ てケーブルとリード線の接続部(ボルコン)に 接触し,両手指先より右大腿部に通電して地絡した。

同時に, リード線間で短絡によるアークを発生させ,両手に火傷を負い,背後に転倒した. 転倒した際,後頭部が PCT架台の鋼製アングルに激突して裂傷を負った. 救急車の出動を要請するとともに,電力会社に事故発生を連絡した. 一方,事故現場では,キュービクル内に倒れている被害者(作業責任者)に止血等の応急処 置を施したが,電力会社の配電線が再送電され, 受電用ケープルが充電されたため,被害者の救 出は困難となり,救急車と電力会社職員の到着 をただ待つのみとなった.

14時 2分,電力会社の変電所において,配電 線の GSR(異相地絡継電器)動作,停電事故発 生,自家用需要家 3軒ならびに一般供給需要家 104軒停電となった。

14時 23分,電力会社の変電所において,配電 線の再閉路継電器動作,配電線の再送電成功, 停電事故解消.

14 時 26 分 , 消 防 庁 と 当 該 自 家 用 か ら , 相 前 後して.電力会社営業所に感電事故発生の連絡, 電力会社からも緊急応動車が出動.

14時 40分,消防庁救急車ならびに電力会社 緊急応動車が相次いで到着.救急隊員より,被 害者搬出時の危険防止のため,配電線を再度停 電させるよう要請が出される.

14時 43分,電力会社職員が,最寄りの多回路 開閉器にて,配電線を 一部停止.停電需要家は, 自 家 用 13 軒 な ら び に 一 般 供 給 62 軒 ( 再 停 電 ) .

14時 5分,被害者救出.救急車にて病院に搬 送.電力会社職員が,当ビル 1階のキャビネッ 卜室の扉を強行開扉し,キャビネット内のピラ ージスコンを開放して,当自家用電気工作物の事故点を配電線から切り離す.
14時 59分,配電線多回路開閉器を投入.当該需要家を除き,停電解消.

供給支給電力は 10kW, 供給支障時間は 16 分間.日曜日であったため,供給支障電力は極 めて少なかった.

しかし,被害者は,充電されたキュービクル 内に, 30分以上も放置される結果となり,機能 回 復 手 術 等 を 要 す る 全 治 1 年 間 の 重 傷 を 負 った

事故の原因

被害者は,作業責任者であり,受電用ケーブルが充電状態であることは十分承知していた. しかるに,工事が予定どおり進行しないことに焦りを感じていたものと思われる. 被害者は,事故当日の早朝にも,この現場に来る前に,別の工事現場において,ケーブルの 引 替 工 事 に 失 敗 し て い た . 既 設 ケ ー ブ ル の 引 抜 き不能のため,引替工事を断念せざるを得なか ったものである.

予定した工事に,次々と狂いが生じ,作業責 任者としての焦燥感から,予定外の思いつき作 業に手を出してしまったものと思われる.また,被害者は安全監視に当たっていたため,安全帽も,絶縁用ゴム手袋も,安全靴 も着用していなかったが,その服装のまま作業 に従事したことも事故原因の一つである.

当ビル 1階のキャビネットのある場所は,当 初はオープンスペースであったが,その後,当 ビル施設者が借室に改造して, 1階に入居しているテナント(貴金属アクセサリー販売会社) に貸与し,貴金属類の倉庫として使用されてい た.

このため,当日の作業には,施設者側の管理 人と,テナント側責任者の 2名が立合う予定であったが,テナント側責任者が急病で欠席した. やむなく,施設者側管理人が,当日出勤して いたテナント従業員より,キャビネットのある 部屋の鍵を受取り,その鍵で開扉しようとしたが鍵が相違しており,扉は開かなかった.

テナ ン ト従業員に問合せたが不明のため,管 理人は本社から,当ビルのマスターキーを取寄 せたが,マスターキーでも扉は開かなかった.

キャビネットのある部屋は,貴金属類の倉庫 であり,盗難防止のために,テナント側で錠を 取替え,鍵は別途に厳重保管されていた.

この事情については,事故発生後の原因調査 に よ っ て , は じ め て 関 係 者 に 知 ら さ れ た .

事故再発の防止対策

事故の直接的原因は,思いつきの単独作業を実施した「被害者の過失」であるが,根本的な 原因は,キャビネットを開閉不能にした「無断 加工」にある.

キャビネットは,自家用施設の点検およびエ 事の時はもとより,配電線事故等の緊急時には, 電力会社職員が開閉操作可能なように,オープンスペースとし,いかなる時でも立入りが可能な状況でなければならない. 借室として施錠してしまったり,キャビネットの前に,資材や商品を積上げてしまっては, 配電線の事故復旧を不可能にしたり,被害者を 見殺しにする事態にもなりかねない.

また,工事計画を立てる前には,現地調査を行い,実際の状態を把握して,的確な立案をしなくてはならない.

さらに,予定した立合者が到着せず,高圧部 分が停電できないような危険な状態となった場 合には,工事を即刻中止する決断力が望まれる.

まとめ

 

作業者が現場で発生した事故情報、ヒヤリ・ハット情報を適切に収集し、組織的に事故防止のための対策を推進した場合、事故件数の減少や利用者からの信頼・評判の向上の効果が期待できます。
使用する設備・工具については、正しい使用方法と内在する危険性について理解させ、事故が起きないよう常に注意して使用するよう情報を共有しましょう。

働く人の安全を守るために有用な情報を掲載し、職場の安全活動を応援します。
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