【電験】短絡電流の計算(電気主任技術者 必見!!)

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短絡とは、一般的にショートと言われている現象の事です。電気回路上の二点が相対的に低いインピーダンス(※1)で電気的に接続される状態が短絡した(ショートした)という事になります。

英語で短絡を意味する short circuit から「ショート」または「ショート回路」と言っていますが、これは日本式省略になります。

電線やコードなどの絶縁劣化により、電気が負荷を経由せずに電位差のある電線から電線へ瞬時にして大きな電流(短絡電流・ショートカレント)が直接流れることです。

短絡電流とは、短絡発生時に流れるその回路電気機器の設計上、許容電流を越える電流のことです。 
短絡発生時、電気回路の2点が低インピーダンス(※1)で電気的に接続されているかつ、負荷抵抗が電線抵抗のみ状態となるため、非常に大きな電流が流れることになります。

(※1)インピーダンスとは、主に電気回路において、電圧と電流の比を表す複素数である。直流回路におけるオームの法則の電気抵抗の概念を複素数に拡張し、交流回路に適用したものであり、単位としてはオームが用いられる。

短絡は大きい事故に繋がります。事故を未然に防ぐには、知識の重要性を理解し事前に検討を行うことが大切です。少しでも事故を削減できるよう内容を見ていきましょう。

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短絡電流 計算の必要性

計算の必要性高圧受電設備において,系統の各点におりる事故時に流れる短絡電流の値を的確に把握することは,受電設備の保護方式を検討するうえで非常に重要なことになります。

短絡電流 計算する目的

使用する遮断器( CB)やヒューズなどの遮断器を適切に選定する.

事故発生時に動作協調がとれるよう,保護継電器の整定値を選定する.

遮断器が遮断するまで短絡電流が流れるので,直列機器は熱及び機械的強度を有するよう考慮する.

短絡電流 計算の基礎

短絡電流は高圧以上の回路において限流ヒューズを除いて瞬時遮断となることはない。機械的強度と熱的強度を確かめるため最初の周波の最大値、遮断装置の発弧瞬時の電流について考える必要がある。


低圧回路においては、短絡瞬時の全電流によって遮断器の遮断容量や断路器、変流器、ケーブル等の短絡強度、主として機械的強度が決定します。
短絡電流を供給する機器は、系統につながる電源と、自家発電機(系統と並列運転の場合)、電動機などの回転機となります。このほかに電力用コンデンサの放電電流も考えられますが、一般的に1〜2サイクルの間、それも進み位相の高調波電流を供給するだけになるので、計算に含めません。

短絡電流を制限する機器は線路・変圧器・変流器・遮断器などの抵抗分Rとリアクタンス分Xとなります。
短絡事故が発生した瞬時の短絡電流には、交流分と直流分の二つの成分が含まれています。交流分を対称電流といい、交流分に直流分が重畳した電流を非対称電流といいます。遮断器・断路器の定格を表す遮断電流や短時間電流は、交流分(対称分)電流で表示されています。

電動機の寄与電流

回路に事故が起こると、短絡後数サイクルの聞は電動 機自身とそれに直結された負荷の回転エネルギーにより 電動機は発電機として働 き,自身の過渡リアクタンスに反比例した短絡電流を供給する.これが電動機の発電作用,あるいは電動機の寄与電流といわれているものである.
同期電動機は他励式のため比較的減衰が遅い。これに反し,誘導電動機は残留磁束だけで発電を行うので,2サイクル程度で無視し得 る値となる.この寄与電流は,一般には電動機の全電圧始動電流と同じと考えて大差ない.
なお,短絡瞬時の電流を計算する場合,誘導電動機のイ ンピーダンスが明らかでないときは,平均的な概数である 25%で計算して大差ない.

まとめ

短絡事故は電線が発熱して発火することによって起こる火災や感電による人身事故、機器を破損させてしまうなど大きな損害を与える可能性がある事故です。事前に適切な知識を身につけて、自分の身を守れるようにしましょう。

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