【電験】接地工事の目的と種類(電気主任技術者 必見!!)

保安管理
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接地工事は、感電、漏電による火災事故、異常電流の発生による機器へのダメージなどを防止する重要な工事です。

接地とは、安定した電位を持つ大地と回路を接続することで、回路の電位を安定させる事ができます。その目的から強電用と弱電用の2種類に分かれます。 まず、感電や火災を防止する保安上の目的で建築や電気などの設備に使用するものは強電用接地です。一方、電磁波やノイズの影響で生じる誤作動を防ぎ、機械の正常な動作環境を守るために設置するものは弱電用接地と呼びます。

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接地工事の目的と種類

接地工事は保安上必要な場合に施すととが規定されているが、原則として接地 工事は A種, B種, C種並びにD種の4種類になります。また接地抵抗値とは、接地極と大地との聞の電気抵抗値をいいます。

「A種接地工事」は,高圧又は特別高圧用機器の鉄台等の接地等、高電圧の侵入のおそれがあり危険度の大きい場合に要求されます。

「D種接地工事」は, 300V以下の低圧用機器の鉄台の接地等、漏電による感電等の危険度を減少させるととができる場合に要求されます。

「C種接地工事」は、300Vを超える低圧用機器の鉄台の接地等、漏電による感電等の危険度が大きい場合に要求される。

「B種接地工事」 は,高圧又は特別高圧が低圧と混触するおそれがある場合に、低圧電路の保護のために要求されるもので混触の際に、接地点の電位が一定値を超えないように定められている。

接地箇所

電気機械器具(金属製 外箱等)の接地は、原則として接地工事を必要とします。

  • 高圧計器用変成器(VT及びCT)の二次側電路にはD種接地工事を施します。
  • 高圧電路と低圧電路を結合する変圧器の低圧側中性点には、B種接地工事を施します。
  • 高圧電路に施設する避雷器等の接地はA主接地工事とします。

接地工事の点検

  • 各所の接地工事が接地工事の種類に記載した内容と適合するものであることを確認します。
  • 接地する電気機械器具の金属製外箱、配管等と接地線の接続が確実に行われていることを確認します。
  • 接地線の実際の太さが、設備容量に見合ったもので故障の際に流れる電流で溶断したり、接地線が外傷を受けたりする恐れがないかを点検します。
  • 造営材、その他に固定される接地線は、原則として、IV電線又はこれと同等以上の絶縁効力のある電線を使用していることを確認します。
  • 接地工事の接地線には、原則として緑色の絶縁電線を使用していること。やむをえない場合は,端末及び適当な箇所に緑色テープなどを用いて,接地線である旨の表示がなされていることを確認します。
  • B種接地工事の接地線は、安全な場所で容易に漏れ電流の測定ができるよう、クランプメータ用のたるみを設けてあるか確認します。
  • 接地抵抗の測定値は、大地抵抗の経年変化を考慮して、規定値より80%以下の余裕をもった値となっているか確認します。
  • 接地線には、接地の種別、機器名等を明示した表示札等が設置されているか確認すること。 
  • 避雷器の接地線は、絶縁性の防護管に収められているか確認すること。

接地極の埋設状態

  • 埋設又は打込接地極は、所定の材料及び寸法のものを用い、水気のある所で、ガス、酸等に腐食されるおそれのない場所を選び、地下75㎝以上の深さに埋設します。
  • 地中に埋設されており、大地との聞の電気抵抗が3Ω以下の値を保った金属製水道管、及び大地との間が2Ω以下の電気抵抗を保っている建物の鉄骨 (鉄筋のみのものは含まない)、その他の金属体は接地極として使用します。
  • 所定の接地抵抗値が得にくい土質の場合は、工事監督中に接地抵抗値の測定を行うとともに、接地極の構造や敷設方法等について必要な指導を行い、接地抵抗低減剤の併用も考慮すること。
  • 接地極と接地線との接続は、ろう付けや溶接によるか又は端子を用いるなどの、確実な方法により行い、はんだ付けは使用しません。
  • 接地極の埋設位置が容易にわかるよう,耐久性のある標識を設けてください。

接地線の種類と取付状態

埋設接地極の材質と寸法等について記載します。

  • 銅板を使用する場合は、厚さ0.7㎜以上、大きさ90㎠(片面)以上のものであること。
  • 銅棒、銅溶覆鋼棒を使用する場合は、直径8㎜以上、長さ0.9m以上のものであること。
  • 鉄管を使用する場合は、外径25㎜以上,長さ0.9m以上の亜鉛めっきガス管又は厚鋼電線管であること。
  • 鉄棒を使用する場合は、直径12㎜以上,長さ0.9m以上の亜鉛めっきを施したものである事。
  • 銅被覆鋼板を使用する場合は、厚さ1.6㎜以上、 長さ0.9m以上、 面積250㎠(片面)以上を有するものであること。
  • 炭素被覆棒を使用する場合は,直径8㎜以上の鋼心で長さ0.9m以上のものであること

接地工事の共用等

A種,B種,C種,D種は、種類ごとに別個の接地工事とする。(特に避雷針用地線及び接地極が単独の場合は、できるだけ距離をおいて施設すること)

また電子計算機及び医療用機器などの接地は,原則として単独接地とし接地極として使用することのできるものとします。

避雷針用接地工事

  • 引下げ導線は、一つの被保護物について2条以上とします。
  • 接地極は、それぞれ引下げ導線ごとに1個以上設ける。
  • 避雷設備の総合接地抵抗値は、10Ω以下とする。それぞれ引下げ導線の単独接地抵抗値は50Ω以下とします。
  • 避雷導根から距離1.5m以内に近接する電線管、鉄はしご等の金属体は、接地すること。

まとめ

事故が起こったときに、感電しないように施す接地や、地絡検出が確実に行なえるようになる機能性を向上させる為の接地があります。
その用途に応じて適切な接地を行わなければ、感電事故や機器の不具合、故障につながるため注意が必要になります。
働く人の安全を守るために有用な情報を掲載し、職場の安全活動を応援します。
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