【電験】電気設備の障害波対策(電気主任技術者 必見)

保安管理
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電気設備の高効率化,高機能化に伴い電子機器・装置が多用されるようになり, 障害波対策が電気保安上の重要な問題となってきた.また,電気設備は,使用環 境による劣化や経年劣化が事故発生の要因となるので,事故防止対策は緊急かつ 重要な問題となっています.

それでは障害波問題とその対策について見ていきましょう.

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電気設備の障害問題

近年,パワーエレクトロニクス技術やディジタル関連技術の急速な進歩により 産業用機器, OA機器,家電機器など電子応用機器はあらゆる分野に利用されてい る.これらの機器から発生する障害波が電力系統に悪影響を及ぼすため社会問題 となっている.また電子応用機器は障害を発生する加害者であるとともに,被害者でもあるという因果関係がある. 障害波による電気設備への影響としては,

1 進相コンデンサの異常音・過熱,

2 同上用直列リアクトルの過熱・焼損,

3 トランスの異常音・温度上昇・損失の 増加,

4 高圧地絡継電器の誤動作,

5 低圧漏電遮断器の誤動作,

6 制御機器の破 損,

7 コンピュータの誤動作・故障,

8 無線通信への雑音障害,

9 テレビの画面の乱れ,ラジオの雑音,

等がある.

障害波を高調波とノイズに大別する.ここで高調波とは「周期的複合波の各成分中,基本波以外のもの」であり,ノイズとは「装置や機器の正常動作を妨害す る有害な電圧・電流」 をいいます。

障 害 波 対 策

対策の選択に際しては,机上計算や高調波測定等を実施し,その効果が発揮できるよう にすることが必要である.

高圧文は特別高圧で受電している需要家について,受電点における高調波電流の流出量に上限値を設定し,電力系統の高調波電圧ひずみ を高調波環境目標レベル以下に維持することを目的としている.

 適用範囲として、新設,増設又は更新する場合,機器の種類ごとの高調波発生率 を考慮、した「等価容量」の合計が基準値以下なら対策は不要で,基準値以上の場 合はガイドラインに従って対策を検討する必要があります。

高調波発生側の対策として
(1) コンバータのパルス数を増加する.

(2) インバータ回路の電源側に交流リアクトル(ACUの追加:標準品として交流リアクトル(ACL) は挿入されていないが, 電源側とインパータとの聞に交 流リアクトル(ACL) を挿入することにより電源側に流出する高調波電流が滑 ら かになり約 45%程度削減できる。

(3) 交流フィルタ(LCフィルタ)の設置をします。交流フィルタの基本回路には,主と して単一高調波の吸収用としての同調フィルタと,主として複数の 高調波の吸収用としての二次形高次フィルタとがあるが,通常は両方を組み合わせて使用されることが多 い.
母 線 に 接 続 す る 直 結 形 と , 限 流 リ ア ク トルを 介 し て 接 続 す る 限 流 リ アクトル付と2種類がある.
前者は通常,受電変圧器の二次側に直結 し負荷設備から発生する高調波を吸収する . また,受電用変圧器の漏れリアクタンスにより電源側に流出する 高調波電流を抑制する.したがって,電圧ひずみ率を改善し無効電力を吸収するので変圧 器容量が低減し,力率改善することができる.また,サイリスタスイッチで高調 波電流の変動に対して高速でフィルタ容量を最適制御することができる.

後者の場合,フィルタを発生源単位ごと に設置しなければならない欠点がある が,次の利点がある .

1. 電源系統から フィノレタ に流入する高調波電流が抑制される.

2. 電源系統のインピーダンス条件によ って,フィルタ効果が左右されない. 

(4) アクティブフィルタは産業用インバータや整流器等から発生する高調波電流と逆位相の高調波電流を発生させ ,これ を電源側に供給 して 高調波電流を打ち消すフィルタ装置である .

系統を含めた対策の検討として、直列リアク卜ルの設置をします。 高圧需要家のコ ンデンサ設備で直列リアクトル を設置していない場合には,電源インピーダンスとの相互干渉による並列共振現象を防止するために一般的には 6%の直列リ アクトルを設置する方法をとります。ただし,電源系統に第三高調波の影響が無視できないくらい存在するときや,第五高調波電圧ひずみが大きい(約 3.5%以上)場合には,リアクタンスが 13% の直列リアク トルを用いるが,コ ンデンサの端子電圧は約 15%となり,通常の 許容電圧 10%を超過するので過電圧を考慮したものを使用する必要があります。

ノイズ対策として、まずノイズ対策を有効に実施するためには,装置,制御器等 が誤動作した ときの条件をよ く調べる必要がある .条件と は,電源, 電気方式, 接地,時間帯, 気象,隣接事業場の業種,構内機器の稼働状況,車両通行状況, 無線通信利用状況等である.電源の瞬間停電,電圧の異常低下は, 一般的にはノ イズと異質の現象であるが, 原因の一つに入れて考えたほうがよいです。

対策の一つとしてス パ ー ク キ ラ ー の 取 付 けがあります。 誘 導 性 負 荷 L を 切 る 際 に , 接点と並列にコンデンサ C,抵抗 R を直列にして接続すると,接点が聞く瞬間の アークエネルギーは CR側に吸収され,電流急変によって生じ るサージ電圧(逆 起電力)を抑制し,接点を保護することができます

このとき発生する高周波振動と,平均化,抑制状況を示す.この C R 回 路をスパークキラー(サージキラー)といい,電磁波の発生を防止する.この CR スパークキラーは DC・ACともに用いられ,負荷と並列に接続しても同様の効果が得られる.CRのほかにパリスタ(酸化亜鉛を 主成分とする非 直線抵抗素子)も使用される.

またノイズカットトランスの設置を設置することでノイズの対策ができます。ノイズカットトランスとしては絶縁トランスを使用し,一次コイルと二次コイル聞に遮へい板を入れ,これを接地する. また一次コイルで発生した高周波磁束を二次コイ jレと鎖交させない構造とし,ノ イズが二次コイルへ伝わるのを防止する.さらに, 一次,二次コイル聞の分布静 電容量を極端に小さくし,分布静電容量を通して一次から二次へ誘導するノイズ を減衰させている.電子応用機器に使用されており,容量は100VA〜100kVA程度のものが市販されている.

あとノイズの対策として、接地の改善があります。商用周波数のような低周波では良好な接地抵抗値でもノイズが問題となる高調波では悪くなることがある.すなわち表皮効果による接地 線の抵抗増加(5.5㎟で 3.3mΩ/mの直流抵抗が 10MHzでは 90mΩと なる)と,インダクタンスの増加(1.3μH/mの電線では 50Hzで 0.41mΩ/mが, 10MHzでは 80Ωとなる)とがある.これを防ぐには次の方法がある.

1.接地線は太く短くする.

2.接地抵抗値は低くする.接地抵抗値は極力低くし,対地電圧上昇を抑える. 

3.強電機器用接地とは別に設置する.ノイズ被害を受ける機置の接地極は強電系統の事故の影響を受けないように別個にとることが望ましい.

4.金属箱の扉やふたにも接地を施す.金属箱の扉等は塗装等のために フレームと 完全に接触し ていない場合があり,ノイズアンテナとして動 作することがあるので,塗装面をよく磨き,編 組線等でフレームと接続することが望ましい.

そして静電気によるノイズも発生するので、対策として次の4つを挙げます。

(1) 静電気の発生を低く抑える.

A) 湿度を適度に保つ(相対湿度 50%以上).
B) 床材として金属材料を織り込んだ導電性のじゅうたんを使用する(体積固有抵抗 106~108n・cm). 付衣服も金属材料を織り込んだ、ものとか,木綿などを着用する.

(2) ケースなど人が直接触れる部分を絶縁し,放電電流が流れないようにする.

(3) 絶縁体どうしの摩擦による静電気は思わぬところで発生する.送風設備・ 液体輸送・粉体輸送等では接地を完全に行うこと.

(4) 地抵抗値を低くする.

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