【電気事故事例】施工不良による設備事故(電気主任技術者 必見)

事故防止
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事故事例の目的としては、事故の再発防止・未然防止を目的として、現場で発生した事故、ヒヤリ・ハット等の情報を収集・活用し、対策を講じることができます。

ハインリッヒの法則では、1件の重大な事故・災害の背後には29の軽微な事故があり、その背景には「ヒヤリ」としたり「ハット」したりするような300の出来事が存在するといわれています。

大事故は、偶発的に起こるものではありません。日常の「ヒヤリとする体験」や「ハッとする出来事」は、いずれ大きな事故につながる前兆であることを理解し、このような体験や出来事があった場合はそのままにせず、何らかの対策を講じておく必要があります。

また、日頃からヒヤリ・ハット事例を記録し、事例を出し合い共有することもリスクマネジメントの観点からは大切なことです。

作業者が、現場の安全を確保するためには、どのような事故が発生しているかを知ることが大切で継続的に情報収集することが重要です。

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事故の状況

事故の当日は,朝から小雨が降っていた. 17時 21分,当事業所高圧引込口の構内 1号柱上で異常な音がして,付近一帯が停電し た.同時に東京電力の変電所において, GSR(異相地絡継電器)が動作し波及事故が発生した. 17時 30分,異常な音を聞いた当事業所の職 員は,電力会社と電気保安協会へ当所の 1号柱に異常があったことを連絡した.

17時 3分,電力会社の職員が到着し,調査した 結果,当所に事故点があることが判明したので, 17時 39分,電力会社の柱上気中区分開閉器が 開放されて,配電線は復旧した.

18時 20分,保安協会職員が到着し,被害状況 の調査を始めた.その結果,構内 1号柱上の需 要 家 ケ ー プ ル (CV14m mり 耐 塩 用 屋 外 終 端 箱(昭和 47年 製 ) が 内 部 で 短 絡 し , 鉄 製 外 箱 が 破 裂していた. この破裂によって終 端 箱 の 上 ぶ た (242 m m x 162 m m ) が 1 5 m 程 飛 ばされ,道路を挟んで向かい側にある喫茶店の 正面入口網入りガラス (0.6Xl.8m, 厚さ 0.5 mm)にぶつかり,長さ lmにわたってひびが入 った.

ケープル以外の受電設備には異常がないた め,電力会社の応急ケーブルを借用して, 19時10分に仮復旧した.

事故の原因

原因は,絶縁コンパウンド注入時の温度不適により発生したクラック,または絶縁コンパウ ンド注入不足による空隙箇所,あるいは内部の ボイド箇所に雨水が浸入したか,または水分を吸湿し,絶縁破壊したと思われる。

絶縁コンパウンドは電線接続管部分,およびブッシング部分が沈下しやすく,季節により周囲温度の影響で空隙が発生しやすい.また,注入時にボイドがあったり,沈下によってクラックが発生した場合には,熱の発生により呼吸作用を生じ吸湿が進行する. 以上により,絶縁コンパウンドについては,冷却後の点検と再注入は必ず行う必要がある.

事故再発の防止対策

屋外耐塩用ケーブル端末を差込み端末がいし 形(耐塩用)に取替える.地絡保護装置付き気中区分開閉器を,構内 1 号柱上に取付ける.

耐塩用屋外終端箱内において,短絡事故が発生し,外箱の金属片が飛散する事故が,数例報告されている.今回の事故は,繁華街にある中学校で発生したにもかかわらず,通行人や生徒に被害が及ばなかったのは,不幸中の幸いであった。

波及事故防止のためにも,このタイプのケー ブル終端箱(おかま型)は早急に取替えるべき である.取替えが困難な場合には,ケーブル終 端箱に,鉄製のカバー(第 4図参照)の取付け を当局は指導しており,これがあれば波及事故 防止の対策とはならないが,飛散という事態だ けは最低限防げる.

まとめ

作業者が現場で発生した事故情報、ヒヤリ・ハット情報を適切に収集し、組織的に事故防止のための対策を推進した場合、事故件数の減少や利用者からの信頼・評判の向上の効果が期待できます。

使用する設備・工具については、正しい使用方法と内在する危険性について理解させ、事故が起きないよう常に注意して使用するよう情報を共有しましょう。

働く人の安全を守るために有用な情報を掲載し、職場の安全活動を応援します。

働く人、家族、企業が元気になる現場を創りましょう。

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