【電気事故事例】作業指示を無視して発生した設備事故(電気主任技術者 必見)

事故防止
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事故事例の目的としては、事故の再発防止・未然防止を目的として、現場で発生した事故、ヒヤリ・ハット等の情報を収集・活用し、対策を講じることができます。

ハインリッヒの法則では、1件の重大な事故・災害の背後には29の軽微な事故があり、その背景には「ヒヤリ」としたり「ハット」したりするような300の出来事が存在するといわれています。

大事故は、偶発的に起こるものではありません。日常の「ヒヤリとする体験」や「ハッとする出来事」は、いずれ大きな事故につながる前兆であることを理解し、このような体験や出来事があった場合はそのままにせず、何らかの対策を講じておく必要があります。

また、日頃からヒヤリ・ハット事例を記録し、事例を出し合い共有することもリスクマネジメントの観点からは大切なことです。

作業者が、現場の安全を確保するためには、どのような事故が発生しているかを知ることが大切で継続的に情報収集することが重要です。

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事故の状況

 

(1) 事前準備 

当事業所は,工場増築の計画を立てたが,その増築場所に変電室がある ため,変電室の建物を撤去し,工場建屋内に取 り込むこととした.

そのために,まず,変電設備をベニヤ板で仮 囲いすることにし,その作業をD建設会社に依 頼して実施することが決まった.

作業に先立って, 2週間前には,電力会社に 対して,当自家用電気工作物の引込用分岐開閉 器の開放を依頼し,全停電にて施工することとした.
開放時間は,午前 9時 30分より,午後 5時までとしたまた,当事業所は安全確保のため, D建設会社はもとより,委託電気工事会社も含 め,数回にわたる会議を重ねて,作業方法を綿密に打合せしてきた.
作 業 実 施 の 当 日 は , 当 事 業 所 か ら , 電 気 主 任技術者および工務課長が立ち合うとともに,委 託電気工事会社の担当者も立ち合うことを決め た.

 

(2) 事故当日 

・早朝 7時 40分 D建設会社の作業員(大 工)が到着し,作業の準備を始めた

• 8時 30分 当事業所の守衛が,監督員に対 して,「停電は 9時 30分からと決められている のに, 1時間も早いではないか.」と苦情を申し入れたため,監督員は断路器と遮断器を再投 入したそして,作業員に対し,「作業は 9時 30分の停電後に行う.」旨を指示したあと,別 棟で行われる工事の最終打合せの会議に出席す るために変電室から離れた.

• 8時40分作業員は,停電しないと作業 ができないし, 9時 30分から始めたのではタ 方 5時までには完了しないと困り果てていた.

そして,思案したあげく,先ほど監督員が操 作するのを見ていたので,自分にもできるものと思い,操作にかかったジスコン棒を持っ て,いきなり断路器を開放したため,大音態と ともにスパークが発生し,地絡・短絡事故をひき起こして 電力会社の配電線を停電させた 作業員は危うく難を免れたが,断路器, ドラムがいし各 3個とジスコン棒が破損した

事故の原因

作業員が指示を無視して,見よう見まねで操 作したことが直接の原因である.

この作業員は,監督員が開放と投入の両方の 操作をするところを目撃していたが,前に行っ た開放操作よりも,後で行った投入操作の方が 印象に残り,順序を間違えて,断路器を先に開放してしまったものである.

事故再発の防止対策

作業員に対して一方的に指示を与えるだけで なく,作業員の意見・要望を聞くことも大切で ある.

現場打合せは一方通行でなく,互いに意見を 出し合い,疑問点を徹底的に解明しなくては, 効果は上がらないものである.

また,変電室の施錠を忘れていることを設備管理上の問題点として,指摘しなければなら ないしかも, 8時 20分に最初の停電が起こ った時に,電気主任技術者が適切な対応をし て,原因を究明し,施錠措置をしていれば,事 故が発生する余地はなかったはずである.

変電室を開放しておいたら,何が起こるかわからないことを電気関係者は銘記しなければな らない

まとめ

作業者が現場で発生した事故情報、ヒヤリ・ハット情報を適切に収集し、組織的に事故防止のための対策を推進した場合、事故件数の減少や利用者からの信頼・評判の向上の効果が期待できます。

使用する設備・工具については、正しい使用方法と内在する危険性について理解させ、事故が起きないよう常に注意して使用するよう情報を共有しましょう。

働く人の安全を守るために有用な情報を掲載し、職場の安全活動を応援します。

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