【電気事故事例】部外者の勝手な操作による設備事故(電気主任技術者 必見)

事故防止
立体型マスク グレージュ

事故事例の目的としては、事故の再発防止・未然防止を目的として、現場で発生した事故、ヒヤリ・ハット等の情報を収集・活用し、対策を講じることができます。

ハインリッヒの法則では、1件の重大な事故・災害の背後には29の軽微な事故があり、その背景には「ヒヤリ」としたり「ハット」したりするような300の出来事が存在するといわれています。

大事故は、偶発的に起こるものではありません。日常の「ヒヤリとする体験」や「ハッとする出来事」は、いずれ大きな事故につながる前兆であることを理解し、このような体験や出来事があった場合はそのままにせず、何らかの対策を講じておく必要があります。

また、日頃からヒヤリ・ハット事例を記録し、事例を出し合い共有することもリスクマネジメントの観点からは大切なことです。

作業者が、現場の安全を確保するためには、どのような事故が発生しているかを知ることが大切で継続的に情報収集することが重要です。

ISDG 不織布マスク

事故の状況

当事業所は製紙工場であり ,受電設備が第 1変電設備,第 2変電設備及び第 3変電設備の 3 カ所に分かれている.

半年ほど前から,第 2変電設備の天井板が腐 食してきたため,天井にビニルシートをかぶせ てあった.

7月 17日 18時 12分,工場内が停電となっ た.

直ちに,当事業所の当直者は主任技術者に連 絡をするが,不在で連絡がつかなかった.

しかたがないので,当直者は工場の責任者に 連絡を行った.

連絡を受けた工場責任者は,再度主任技術者 に連絡をするが,連絡をつけることができなか った .また,工場責任者は,電気工事業者にも 連絡をしたが,不在で連絡がとれなかった.

18時 30分,工場責任者は,当事業所だけが停 電しているとは思わず,電力会社へ停電の問合 せをした.

19時 02分,工場責任者は,主任技術者及び電 気工事会社に連絡がとれないため,自ら第 1変 電設備へおもむき, OCB(油入遮断器)が開放さ れているのを確認した.

直ちに工場責任者は, OCB(油入遮断器)を投 入したと同時に電力会社の DGR(地絡方向継電器)が動作し,付近一帯は停電した. 工場責任者は,停電が続くので OCB(油入遮断器)の開閉を繰り返した.

19時 49分,電力会社の職員が来所し,当事業所が事故点であることを知らされた.

19時 50分,電力会社の職員が当事業所の気 中区分開閉器を開放し,他需要家への送電は再開された.

事故の原因

波及事故をひき起こした原因として主要なものは,次の 2点である.

(1) 第 2変電設備の天井板が腐食しており,ビニルシートをかぶせることしかしなかっ た.

(2) 主任技術者への連絡がとれずに,適切 な指示を出せなかった.

20時 40分,工場責任者は,再度主任技術者に 連絡をしてようやく事故である連絡がとれた.

20時 50分,主任技術者が現地に到着した.調 書の結果,第 2変電設備内の LBSの T相とア ース間に腐食した天井板の鉄片が落下し,地絡 事故となったものと判明した.

1時 35分,事故の LBSの点検を行い異常がないことを確認し,本復旧となった.

事故再発の防止対策

(1) 引込柱上に地絡保護装置付き気中負荷 開閉器を取付けることにした.

(2) 第 2変電設備の天井板を張替える.

(3) 電気についての保安教育を行い,事故 を未然に防ぐことにした.

まとめ

作業者が現場で発生した事故情報、ヒヤリ・ハット情報を適切に収集し、組織的に事故防止のための対策を推進した場合、事故件数の減少や利用者からの信頼・評判の向上の効果が期待できます。

使用する設備・工具については、正しい使用方法と内在する危険性について理解させ、事故が起きないよう常に注意して使用するよう情報を共有しましょう。

働く人の安全を守るために有用な情報を掲載し、職場の安全活動を応援します。

働く人、家族、企業が元気になる現場を創りましょう。

Anker 525 Charging Station ( USBタップ )
事故防止
バッファローmicroSD
CREA-Safety

コメント